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消弧リアクトル接地
 

 原理は中性点と大地の間にリアクトルを挿入し、そのリアクタンスを系統の対地静電容量と並列共振させることによって零相インピーダンスを無限大にして、1線地絡時に地絡故障電流を流さないようにするものです。このリアクトルを消弧リアクトルといいます。
 実際には系統の対地静電容量と完全に共振させず、必ず過補償と言って1線地絡時の消弧リアクトル電流が系統の対地充電電流より数%大きくなるように設定します。この系統に地絡事故が発生すると地絡相に蓄積されていた電荷は大地へアーク放電するが、その後地絡電流はきわめて小さく制限され、自然消弧します。地絡電流が誘導性になっていることで、一旦消弧後の電圧回復が緩やかであることも消弧性を高めています。
 この接地方式はほとんどか架空送電線だけで連絡構成されている系統に適用されます。それは架空送電線では1線地絡が事故原因の大きな割合を占め、しかも地絡事故は他物の接触、雷撃によるアーク閃絡など一時的なものが多く、一旦消弧させれば絶縁が回復することが多いからです。
 地絡保護継電器の動作は各接地方式の中で最も悪く、消弧リアクトル動作後、数秒間事故が解消しない場合は並列に設置した抵抗器を投入し、一時的に抵抗接地方式として保護継電器を動作させています。
 この接地方式では通信線などへの誘導障害は小さいが、1線地絡時の健全相の電圧上昇は抵抗接地方式と同程度であり、系統の絶縁の低減はできません。
 また、線路停止など系統条件の変化に応じて消弧リアクトルのタップを切り替える必要があります。さらに対地充電電流とリアクトル電流との共振に近い状態で運転するため、異常電圧の発生の機会が他の接地方式より多く、この対策として並列抵抗器を常時投入しておき、1線地絡発生時にこれを開放して消弧リアクトル接地方式にすることが行われています。

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